「ピーター・リンチの株で勝つ」PER、成長のストーリー
今回は、PERの意味を更に深く知る。割安な会社がどういった成長のストーリーを描いていけるかなど有望な銘柄を探すための知恵を更に身に付けて行きたいと思います。
1. 株価収益率(PER)
どんなに将来有望な銘柄であっても最終的には、収益に株価は連動することになる。 かの有名な株価収益率(PER)で割高か割安かを判断する。
PERは現在の株価を過去12ヶ月の収益(1株あたり)で割ると計算できる。 これは、ある会社の収益が一定だと仮定するとその会社があなたの投資額を稼ぎだすのに 何年かかるかの目安にもなる。
例えば、PER10倍の銘柄100株で1000ドル投資した場合に、1株当りの収益が100ドルの場合、 1株当りの収益は、100株で年に100ドル稼ぐことになり、10年で取り戻せる。 PER2倍なら2年、PER20倍なら20年となる。
株によって、PERはさまざま。 急成長銘柄14倍〜20倍、優良株10倍〜14倍、低成長株7倍〜9倍といったところになる。
2. 成長のストーリー
株を実際に買う前には、その会社の魅力、成長性、弱点などをもう一度、二分間だけ自問自答してみるとよい。 子供でも理解できるレベルまで落とし込めれば、投資準備は万全と言える。
2.1 6つの分類毎の成長ストーリーを描くためのポイント
分類 | 成長ストーリーを描くためのポイント |
---|---|
低成長株 | 長期間の安定収益、配当利回り、減配・無配経験が少なく増配し続けている |
市況関連株 | 経済全体の景気、在庫、市況 |
資産株 | 何が資産で、どの程度の価値があるか |
業績回復株 | 変革に熱心か、その計画は十分機能しているか |
優良株 | PERは割安か、成長性はあるか |
急成長株 | どの分野でどの程度まで今のスピードで成長し続けることができるか |
3. 真実を手に入れる
会社にIR部門に電話する、会社を訪問するなど本当の情報を集めるには、いろいろ方法はありますが、 「アニュアルレポート(年次報告書)」を読むというのは敷居が低い、真実の情報を手に入れる方法ではないでしょうか。
3.1 貸借対照表を簡単にチェック
上半分(資産と負債)
流動性資産:現預金、市場性のある有価証券。前年と比べて増えていれば、盛業を意味する
下半分(長期負債)
長期負債:前年よりも減少していれば、もう一つの繁栄のしるしとなる
現預金が負債に比較して増加していれば、貸借対照表の改善であり、その逆は悪化となる。 流動資産が減り、長期負債が増えるということは、企業の財務基盤が弱いことを示す。
3.2 10年間の経過で確認すること
発行済株式数が、減少している場合、自社株を買い戻しているということで、好材料の一つ。
4. まとめ
- PERは、単に15倍以下が割安であるという意味だけでなく、投資額を稼ぎ出す年数という見方もできる。 銘柄の分類(成長度合い)によってPERの値の割安感は変わってくるため、投資対象の銘柄がどの分類の銘柄を 把握することは非常に重要である。
- また、割安割高がわかり、投資対象としてのターゲットに入った後は、その銘柄がどういったストーリーで成長していくかについて 考えを巡らせることで意味ある選択をすることが大事です。そのためのポイントを確認しました。
- その材料となるアニュアルレポート(年次報告書)の資産や負債を確認することで簡単な財務基盤のチェックができる。