「ピーター・リンチの株で勝つ」投資前の最終チェックリスト
長期投資における銘柄の分類毎のチェックリストがあります。
この意味を押さえることで確実に投資レベルアップしていくことが出来ると思います。
1. 株式全般
どのような株にも共通する視点があります。 投資する銘柄において以下のポイントは確実に押さえておきたいです。
チェックポイント | 投資基準 | 補足 |
---|---|---|
PER | 同業内で割安 | 金融は低く、飲食は高めなど業界毎で変わるため、同業内で比較する |
機関投資家の持ち株比率 | 低い | 機関投資家に目をつけられていない優良会社が投資対象となる |
内部者の買い、自社株買い | あり | 内部の人間が買っているのは、業績が上がる前兆。自社株買いは、1株あたりの利益を上げる |
最高益 | 安定上昇 | 偶発的な上げかを確認する |
負債資本比率 | 25%以下 | 負債の低さは、市場悪化時の体力。財務健全性を確認する |
流動資産比率 | 100%〜150% | 流動資産の高さも、市場悪化時の体力。1株あたりの資産価値以下に株価は下がらない |
2. 低成長株
成熟した成長率2%ほどの会社。配当周りの状況を確認することで投資対象とするかを決めていきます。
チェックポイント | 投資基準 | 補足 |
---|---|---|
配当継続性 | 暴落時も配当継続 | 市場悪化時にも配当継続する会社は、信頼がおける |
増配 | あり、連続増配 | 連続増配する花王のような企業を探す |
配当性向 | 20%〜30%と低め | 収益の何%が配当として払われているかという数字。景気悪化でも配当継続性の余裕があるかをみる |
3. 優良株
優良株は、人気がある成長率10%〜12%ほどの安定した企業。
大企業が多く急激な成長は見込めないが、確実に成長している株。
まず割安かどうかを確認し、多角化(多悪化)の兆候が見られないで今後も安定して成長していく見込みがあるかをチェックしていく。
チェックポイント | 投資基準 | 補足 |
---|---|---|
株価 | PER的に割安か | - |
多角化 | 収益減に繋がる多角化がないか | 体力のある優良会社は、買収を行うことが多い。収益悪化の可能性がないか確認する |
成長率 | 長期的な成長率と同等か | 成長率の鈍化など、経営状態の変化がみられないか |
市場低迷期への耐性 | 株価暴落時期を乗り越えた経験 | - |
4. 市況関連株
市況関連株は、景気敏感株とも呼ばれますが、定期的に株価が上がり下がりしていくような業界の会社です。
投資タイミングが重要となります。現在の景気状態がどのような位置にいるのかをざっくりと掴むことで勝率をあげていくことができます。
チェックポイント | 投資基準 | 補足 |
---|---|---|
在庫、需給 | 在庫少ない、需要あり | 市場の変化に対応できているか |
産業の好、不景気 | 回復期への突入 | 産業の景気が最悪の状態の後に長く堅調な回復期に突入する傾向がある。 |
5. 急成長株
急成長株は、株価が急激に上がっている株。 成長率が高すぎないか、そしてその成長はどの程度継続しそうかを確認して、投資を行う。
チェックポイント | 投資基準 | 補足 |
---|---|---|
収益成長率 | 20%〜25% | 25%以上など高すぎる場合は、警戒が必要 |
拡大の余地 | あり | 新規店舗出店余地、未進出のエリアの余地。急成長が止まると、株価は暴落する |
機関投資家の持ち株比率 | 低い | アナリストから無視されている会社が急上昇している場合、有望 |
6. 業績回復株
今は低迷しているが、安く買えて、回復したタイミングで大きく利益を上げることができる株。 潰れないか、そして、本当に業績回復するのか、そして市場の流れはそれを後押しするかを確認していく。
チェックポイント | 投資基準 | 補足 |
---|---|---|
負債資本比率 | 低い | 債権者から取り立てに耐えられるかどうか一番重要 |
業績回復手法 | 不採算部門の整理あり | 収益を圧迫している分野の整理は時に急回復をもたらす |
産業の活気回復 | あり | 関連商品で新たなブームが起き始めているなどで復活する場合もある |
7. 資産株
減価償却する資産により、税免除を長期で受けられキャッシュを蓄えて行けるような会社などが資産株。
隠れた資産、過剰な見積もりにおける資産が発覚した場合に急激な株価の変動がある。
資産を把握すること、そして、資産を減らしていく新たな負債がないかを確認する。
チェックポイント | 投資基準 | 補足 |
---|---|---|
資産価値 | 多い | 含み資産が存在するか、正しく計上されていない資産が発覚したときに株価は動く |
負債 | 少ない | 資産からひかれる負債がどの程度あるか。新たな負債を抱え込もうとしていないか |
ここまでで、有望株を選定する基準について、学んできました。 次回は「ピーター・リンチの株で勝つ 第3部 長期視点」においてポートフォリオの組み方、暴落時の対応方法などについて読み進めて行きます。 ブログでは、ポイントのみ書いていますが、本では、具体的な銘柄を上げつつ書かれているので、わかりやすく読み応えがあります。 第3部も非常に楽しみです。
ピーター・リンチの知恵をもっと身に付けたい人は、以下にまとめ記事あります。