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ドル建て終身保険のメリット・デメリット

ドル建て終身保険とは?

保険料をドルで支払う終身保険のこと。
保険料が安く、予定利率も3%ほどで支払い保険料の100%の解約返戻金となるのが早い傾向がある。

ただし、外貨建てのため、為替リスクがあります。

メリット、デメリット

メリット

  • 予定利率(積立金の運用率)が円建て商品よりも高いため、総支払額が割安になる
  • 解約返戻金も高く貯められる
  • 30歳でドルの終身保険60歳払込に設定すると10万ドルの保険金受取に対して、支払い総額は5万ドル(参考)
  • 通貨の分散(裏返せばリスクとも受け取れるが、円の価値が大きく下がったときのリスク分散になる)

デメリット

  • 為替変動に合わせて保険料・保険金・解約返戻金が変動する
  • 為替の動きはわからないため、期限を決めた貯蓄には向かない(大学に入るタイミングで円高だと損する)

※期限を決めていない貯蓄や保険金に関しては、解約返戻金や保険金を円高時にはドルで受けとり、
円安に向いた時に円に替えればある程度はリスク回避できる。

種類

具体的な商品として、メットライフの外貨建ての商品ライナップを上げてみます。

  • 積立利率変動型終身保険(米国通貨建て2002)
  • 積立利率変動型一時払い終身保険(米ドル建て・豪ドル建て)
  • 積立利率変動型養老保険(貯蓄重視型 米国通貨建て)
  • 個人年金保険(米ドル建て09)一時払い

すべての商品が利率変動タイプとなっています。
利率変動タイプは、最低予定利率を保証しつつ、上手く運用できた場合には積立利率として
お客様の解約返戻金や保険金に反映される仕組みです。

ドル建て保険が向いている人

積立金にかかる予定利率よりも為替の損益の方が大きいため、
入出金用のドルを入金できる口座を作って、円高の時にドルに替え、
円安の時に解約返戻金を円に戻すなどの為替リスクを管理出来る人に向いています。

為替市場や世界経済に明るい方、外貨預金やFXなどを経験している方、
死亡保障と資産運用を両立したい方には良い保険といえるのではないでしょうか。

ドル建て保険の具体例

以下の商品において保障内容や保険金の受け取り方、
予定利率や為替手数料を考慮した解約返戻金について確認してみます。
ドルスマート (旧名称:メットライフ生命の「米ドル建IS終身保険」)

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予定利率

3.0%を最低保障し、運用成果によってはこの積立利率を上回ります。
毎月変わる変動利率となります。
利率は契約から10年間は加入時の利率が保証され、その後見直しが行われます。

過去の予定利率

保険の内容

保険の仕組み自体は円建ての終身保険と同じ。単純にドル建てになっているだけです。
日本の円建終身保険の予定利率が各社1.0〜1.5%程度。

公式パンフレット

保険料の払込方法

  • 円口座(為替手数料が払込時点のレートで発生する。1ドルについて1円かかるので非推奨)
  • 米ドル口座
  • クレジットカード(払込通貨は米ドル。JCBのみ)

2015年3月時点の円⇔米ドルの為替手数料は、安価な銀行だと以下

住信SBIネット銀行・・・0.09円
新生銀行・・・0.07円~0.15円
ソニー銀行・・・0.08円~0.15円

FXを使うと安価にドルに変えることができます。少し手間はかかりますが。。
外貨両替のお得な方法!手数料はFX・金券店・空港・銀行の順に安い|FXとは?

月払い、半年払い、年払いから選択可能

保険金、解約返戻金の受取り

円でもドルでも受取りが可能

米ドルで運用してきたお金を保険会社で交換して受け取ると為替手数料が1ドルにつき0.5円かかります。
保険会社からは米ドルで受取り、為替手数料が安価な銀行で自分で円に交換する方が安上がりになります。

為替手数料を含めた参考プラン

パンフレットに載っているプラン
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為替手数料を考慮した場合の結果
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積立利率が最低保障の3%で推移した場合は104%の解約返戻金(660万円を払い込んで、26万の利益)
4%で推移した場合は、122.8%(660万を払い込んで150万の利益)
現状の予定利率の推移を見ると3.2%がいいところ。

25年間払い続け、資金がロックされてかつ、為替リスクを回避して、結果26万ちょっとの利益じゃ
あまり契約する価値がないような気がしました。

まとめ

円安に傾いた際に、少しずつ円に交換して為替利益を作って行ける人は
大きな利益を得ることが出来るかもしれません。いずれにしても手間とリスクを伴うと感じました。
手間をかけても運用して通常の積立保険よりも利率を上げたい人には良い商品と言えると思います。