トレードルールの検証方法
安定した結果を出すためには優れたトレードルールを作ることが不可欠です。
そのトレードルールをバージョンアップしていくためには定期的な検証が必要となります。
今回はその検証方法について学んでいきます。
検証頻度
- トレード記録を毎月1回のペースで検証する
- 月々のトレード回数が少ない場合は、半年に一回検証する
検証の注意ポイント
- 未決済ポジションがある場合はその時の価格ですべて手仕舞いしたと仮定してトレード記録を付け、検証する
- 損失を先延ばしにして検証すると、ある時期のみ突出して成績が良くなってしまい正しい検証ができない
検証に必要なデータ
項目 | 説明 |
---|---|
投資用資金 | - |
トレード期間 | 1ヶ月、6ヶ月、1年など分析する対象期間 |
年間トレード回数 | 1ユニットの売買回数、一気に3ユニット買った場合は3回とする |
勝ちトレード回数 | - |
負けトレード回数 | - |
トータル勝ち金額 | 勝ちトレード金額を合計したもの |
トータル負け金額 | 負けトレード金額を合計したもの |
差引損益額 | トレードの収益の結果、勝率がよくてもこれがマイナスだと意味がない |
年間利益目標 | - |
ポイントはトレード回数を1ユニット(投資用資金の1%のリスクを取る取引単位)とすること。
1回の買いエントリーを2回に分けて手仕舞いした場合、勝率やRR比率の算出時に正しい値を捉えにくくなります。
分ける回数が3回、4回と変動し、勝率や負け率が変わって来てしまうからです。
分析項目
検証に必要なデータを用いて、分析をしていきます。
差引損益額
差引損益額 = 勝ちトレード回数 - 負けトレード回数
トータルの損益。この金額がプラスでなければ、意味がないです。
平均利益、平均損失
平均利益 = トータル勝ち金額 ÷ 勝ちトレード回数 平均損失 = トータル負け金額 ÷ 負けトレード回数 ※ 損失は絶対値で記載。RR比率の計算のため
リスクリワード(RR)比率
損小利大を実現するために重要な数字です。
これが1より大きければ、損小利大。1より小さければ損大利小となります。
リスクリワード(RR)比率 = 平均利益 ÷ 平均損失
勝率、負け率
勝率にこだわりすぎて、トータルの差引損益が結局マイナスとなるケースが多いそうです。
結局は勝率とRR比率で勝ち組かが決まります。
勝率(L) = 勝ちトレード回数 ÷ 年間トレード回数 負け率 = 1 - 勝率
勝率とRR比率
勝率 | 10% | 20% | 30% | 40% | 50% | 60% | 70% | 80% | 90% | 100% |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
RR比率 | 9.00 | 4.00 | 2.33 | 1.50 | 1.00 | 0.67 | 0.43 | 0.25 | 0.11 | - |
勝率が60%の場合、RR比率が0.7以上であれば勝ちトレードとなります。
0.7より小さい場合、負けトレードとなる。
トレードエッジ
トレードエッジ = 勝率 × 平均利益 - 負け率 × 平均損失
トレードエッジとは1回のトレードあたりの平均損益です。
トレードエッジがプラスになるようなトレードルールを作っていきます。
トレード回数や勝率とRR比率を調整しながら、自分に最適なルールにバージョンアップしていきます。
期待できる年間損益
期待できる年間損益 = トレードエッジ × 年間トレード回数
月に1回、検証をおこなう場合はこれを月間トレード回数を12倍して算出します。
Vトレーダー率
Vトレーダー率 = 期待できる年間損益 ÷ 年間利益目標
Vトレーダー率が1より大きければ、Vトレーダー(年間利益目標を安定して達成できるトレーダー)です。
1より小さければトレードルールに改善の余地があります。
参考にした本
トレーダーズバイブル