ロスカットラインの設定方法
下記でロスカットラインについての考え方は書いていますが、追加で記載します。
大きな失敗をせずに最大のリターンを得るためのリスク管理 - お金と健康について学び、豊かな人生を送る
1. ロスカットライン設定の正しい考え方
- トレンドの読みが当たっている時に、一時的な逆方向の動きでロスカットラインに引っかからないようにする
- トレンドの読みが外れて反転を始めたら、いち早くロスカットする
- 上記2つを両立するロスカットラインを設定する
上昇トレンドに乗れている時に一時的に下落した動きでロスカットしてしまい、大きな利益を獲得できない
ということがない状態に設定する。
かつ、読みから反転した際に大きな損とならないように、いち早くロスカットできる最適なロスカットラインを
設定する必要があります。
タートルズ(投資家集団)はさまざまな銘柄を調査した結果、価格の振れ幅のノイズは2ATR(1日の最大値動き)以下であることを 発見しました。タートルズがロスカットラインを2ATRと設定した理由です。
ATRに関しては以下を参照してください。
トレーダーが学ぶべき資金管理 (適切な合計取引量) - お金と健康について学び、豊かな人生を送る
2. ロスカットラインの適切な幅
タートルズが設定していた2ATRは30年以上も前の話です。
現代のトレード銘柄とは異なるため、自分がトレードしている銘柄のノイズ幅はどうなっているかは
常に把握して置かなければなりません。
ポイントは1. ロスカットライン設定の正しい考え方の冒頭で紹介した2点に従うことです。
いろいろなトップトレーダーたちのトレード手法では2.5ATR〜3ATR程度の幅がある。
例えば、3倍ならば、米ドル/円のATRが80銭のときに、2円40銭となります。
これはロスカットラインとして浅い、深いどちらに感じるでしょうか。
深いと感じる人がいるのではないでしょうか。
1ユニットとは1ATR動いて1%の損益が発生する取引量。
3ATR逆向きに動いたとしても3%の損失に過ぎない。
1000万円の投資用資金の場合は30万の損となります。大きいと感じる方もいらっしゃると思います。
初心者トレーダーは取引量が大きすぎる傾向があるため、ロスカットラインが浅く設定しがちになります。
まず、1トレード当たりの適切な取引量を把握することが大事で、その上で、ロスカットラインを設定する必要があります。
トレーダーが学ぶべき資金管理 (1トレード当たりの適切な取引量) - お金と健康について学び、豊かな人生を送る
3. ロスカットラインは必要経費
ロスカットラインに引っかかっても失敗と考えてはいけない。
すべてのトレードで勝とうと思うと結局は損切りが遅れ、致命的な失敗に繋がる。
しかし、下記のようにロスカットラインを大きく超えていたというケースは注意が必要。
3.1 ロスカットがロスカットラインを大きく超えるケース
- オーバーナイトしたとき
- オーバーウィークしたとき
- オーバーホリディしたとき
- 流動性が低く、売り注文を出したら、自分の注文で値段が下がるとき
200円下がった価格にロスカットラインを設定した状態で前日買値から190円下がった
終値でマーケットがクローズ。翌日の始値が250円安なら、そこでロスカットが発動します。
50円もオーバーしています。
このように日またぎ、週またぎ、休日またぎはリスクが伴います。
特に3連休、4連休は危険です。
連休前にポジションを一度手仕舞うなど、きめ細かな対応が最終的な損益を左右する。
価格が大きく動いてなければ、再エントリーすればよい。
ロスカットの損切りならば、数回あってもトレードの中で利益を回復できるが、 ロスカットラインを大きく超えた損失は取り返すのが難しい。
4. 1回のトレードで取るリスク
タートルズはロスカットラインを2ATRに設定していたがこのATRを”N”と呼び、全てNで管理していました。
ロスカットラインで言えば、2N分逆方向に設定するということです。
利益確定も損切りもすべてNで管理すると、とても便利です。
5Nの利益を取って、次のトレードで2N損した場合、トータルで3Nの利益。
それは投資用資金が3%増えたことを意味する。
※1ATRの動きは投資用資金の1%分の動きとなっているため
2N分のロスカットを設定すると1回のトレードで取るリスクは投資用資金の2%のリスクを取ります。
ATR(1日の最大値動き)の2倍のリスクを取ることになります。
ここで2%という数字に着目してください。
1回のトレードで2%のリスクを取るということは優秀なトレーダーに共通しています。
世界標準といってもよいでしょう。
投資用資金が100万円にも関わらず、1回のトレードで20万円の損を出すトレーダーは数限りなくいます。
当たり外れの中で利益を勝ち取って行こうと考えるならば、1回のトレードで過大なリスクを取ることは慎みましょう。
参考にした書籍
もっと詳しく知りたい方は下記を読んでみてください。
トレーダーズバイブル