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「ピーター・リンチの株で勝つ」役に立つ数字

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長期の株取引において、特に重要となってくるいくつかの数字について知識を深めていく。
今は、なんとなくしかわからない用語も、今押さえていくことで、どんどん情報が繋がって来ると思います。
ただなんとなく売買することでは得られない会社の経営状況を知るということの面白さを体験していきたいですね。

1. 株価収益率(PER)は成長率もあらわす

株価の割高割安を判断する基準は多くあるが、以下で計算できる指標は、 なににも増して重要な成長率を考慮している点で優れていると言える。

勘違いしていたので、訂正します。
PER15倍の場合、成長率15%を期待できる。 その銘柄が、15%の成長率よりも高い成長率の場合は、魅力的な銘柄と言える。

成長率 ÷ PER
or (成長率 + 配当利回り) ÷ PER ※配当を考慮する場合

配当考慮の場合の基準としては、
1.5なら期待する成長率より高いので、見込みあり。本当に探したいのは2以上の会社。

例) 成長率12%、配当利回り2%、PER10倍の場合
(12 + 2) ÷ 10 = 1.4

成長率を考慮することで、特に急成長している銘柄が本当にPERが割安なのか、割高なのかがわかる。 買われ過ぎかの指標としてはこの値が一番参考になる。

注意点として、成長率は、アナリストによる予想EPSなどがあるが、これには恣意的な判断が 混ざっているため、営業利益などの具体的な数字で表記できる成長率を用いることが望ましい。

2. キャッシュポジション

1株あたりのキャッシュの潤沢さは、株価の割高さを軽減する。

例えば、1株当りのキャッシュ(借り入れは除く)が10ドルで、株価が16ドル、1株当りの利益が3ドルの場合
(16 - 10) ÷ 3 = 2 PERは2倍とみなすことができる。
もとのPERは、16 ÷ 3 = 5倍。かなり、低く軽減されることになる。

いい加減な経営状態だったり、商品に魅力がない会社の場合は、このPERは参考にならないが、 有名で立派な会社であればあるほど、このキャッシュポジションの重要性は増してくる。

また、このキャッシュで増配や自社株買いを行う分には、株主還元となるが、 無関係な会社の買収を行う傾向がある場合は、注意が必要。

3. 負債項目

会社の資金力は、バランスシート右側の負債と資本の比率で確認できる。具体的には、株主資本と長期負債(短期負債は、十分なキャッシュがあれば無視できる)の比率を確認する。 一般的な会社では、資本75%・長期負債25%が一般的である。

業績が急転している会社が生き残れるか否かは負債による。また、同じ金額の負債でも「銀行からの借り入れ」なのか「市場からの調達した負債」とがあり、 前者の方が、返済日がすぐにやってくるため、返済不能となりやすくリスクが高いと言える。 市場から調達した負債は、利子を払い続ける限り、支払いを迫られることがないため、株主の立場ではこの負債の方がベストである。

4. 配当

優良株や低成長株の中の高配当株は、暴落のときでも無配株の約半分しか下げない。 これは、株価が下がると配当利回りは高くなるため、株価の下支えとなるためである。

高配当株に投資する際は、暴落時でも配当を継続できるかを調べる必要がある。 20年、30年と配当を支払っている会社が最適である。

ただ、小資本の会社が配当を払わないとしても、払わないために高成長することも 大いにある。会社が株式を発行する理由は、銀行借り入れによる重荷なしに成長するためである。

5. 簿価

資産または、負債の会計処理結果によりはじき出された資産額のことを簿価と呼ぶ。

ただ、この価格は、しばしば過大評価または過小評価されている場合があり、 想定よりも価値のない資産だと発覚した際には、株価は大きく下落することになるため、簿価の 内容を十分に知っておく必要がある。

6. キャッシュフロー

キャッシュフローとは、会社が事業を行って得るキャッシュの量である。

7. 成長率

割高でも成長率の高い会社に投資したほうが良い。

例えば、
成長率20%、PER20倍のA社と成長率10%、PER10倍のB社とでは、A社に投資したほうが良い。
10年後には、A社は123ドル、B社は26ドルとなっている。
増えた株価の+20%となっていていくため。成長率というのは非常に重要である。

8. ボトムライン(純利益、または1株あたりの利益EPS)

ボトムラインとは損益計算書の最後に書かれている税引後の利益のことである。

企業の税引き後の利益率は、5〜10%程度。

税引き前の利益が同業種内で比較することで、環境が変化したときでも生き残れる会社を判断できる。

12%の会社と、2%の会社では売上維持のために10%値下げした場合、売上は両者とも 10%減となり、12%の会社は、2%の利益となり、2%の会社は-8%の赤字となる。

9. まとめ

  • PERと成長率を考慮した値(PEGレシオと呼ばれたりする)は、成長率が高い会社の株価の割安割高性をより明確に教えてくれる
  • キャッシュポジションは、株価の割高さを軽減する。自社株買いや配当に使われることで、株価を押し上げてくれる。
  • 負債は、市場が急転した際に生き残れるかを判断する材料。負債の質としては、銀行借入より市場からの調達資金の方が安全な負債。
  • 配当は、株価の下支えとなる。成長企業は配当を出さないことで、成長スピードを加速させる。
  • 成長率の高さは、株価の複利により株価を急激に上げるため、成長率が高ければ、少々高くても投資した方がよい。